第5章 俺の気持ちは
スポンジにたっぷり泡を立てカレーを食べた食器を洗う。
2人が来てから夕食の次はお風呂というスタイルになっていて今はアーサーがシャワーに行っている。
2人と一対一で話し合う時間は今のシャワーの時間位しかないが、俺はリビングでテレビを見ているアルに話しかけられずにいた。
(早くしないとアーサーがお風呂から上がっちゃうよ!
早く言わなきゃ行けないのは分かってる、分かってるけど恥ずかしい…)
「また今度でいーかなぁ………う、うわッ⁉︎
……あ、アル……」
「なお〜っ!まだ終わんないのかい?1人つまんないんだぞ」
明日に先延ばしにしようとした事を許さないというようなタイミングで後ろから抱きついてきたアル。びっくりし過ぎて手に持っていた食器を落としそうになるが何とか掴んだ。
ドキドキと心臓が高鳴る。こんな密着されたら俺の心臓の音に気付かれそうで困る。
「アルっ!もう少しで終わるから!洗いにくいから離れて…っ」
離れさせようと身体を動かすがアルは離れようとせず、手の力を強めてきた。
「………………なお」
「……っ!」
俺の肩と首の間に顔を埋めてすりすりとされれば俺の頭は軽くパニックになっていた。
(え⁉︎アル可愛すぎるでしょ!可愛いけど!
今するのやめてー!は、早く食器洗わないと……!俺が持たない‼︎)
「アルこのままで良いからちょっと待っててね」
「………うん」
俺はあと残り少ない洗ってない食器を高速で洗った。
その少しの間アルは一言も発さず俺の肩に埋もれていた。
「アル?洗い終わったからリビングに行こう?」
綺麗になった手を使いお腹に回されている手をトントンと叩いて知らせる。
だが、アルは動こうとしない。
「も、もうちょっとだけ…こうしてちゃダメかい…」
「いいよ、じゃあこのまんまで喋るけどさ…今日アルに言おうと思ってた事があるんだよね…一つだけ聞いていい?昨日のあれってさ…告白?」
「そうだぞ………」
ポツンと呟くアルの声は震えていた。
アルも緊張しているのだろうかさっきより触れている体温が高くなったきがする。
俺はアルの手を軽く握りながら答える。
「俺もアルの事、好きだよ
けど、俺、アーサーも好きなんだ。俺……2人の事が離したくないくらいには大好きみたい。
……アルはそれでも良い?」