第5章 俺の気持ちは
午前の営業が終わり、今は昼休みだ。
お昼を食べるついでに昨日の事を同僚に相談しようと辺りを見回すと1人の女性と男性が俺の視線に気付いたのか手に今日食べるお弁当を持ち、こっちに近づいて来る。
「よー、直人、飯食おーぜ」
「本田!ご飯食べよー!」
このおちゃらけたような男は、坂本蓮。俺の親友で良く2人で飲みに行ったりする。いつもふざけた言動とかで俺を笑わせてくれる。
そしてその隣にいる女性は、品川ひなの。同じ年に入社した事がきっかけで仲良くなった。彼女は笑顔がとても素敵だ。
そして…アレの趣味がある。
お昼の時間が合えば良く3人で昼ごはんを食べている。今日は2人とももお昼を取れる時間があったようで2人と一緒に食べれるようで俺は一安心していた。
「外で食べようよ、あと……ちょっと2人に相談というか…聞きたい事があって」
余り大きくない声でボソッと呟くと、2人が一気に楽しそうな表情に変わり、身を乗り出すように俺に問いかけてくる。
「なんだよ直人お前抜けがけで彼女でも出来たんじゃねーだろうな!」
「え⁉︎なになに?まさか痴漢でもされた?」
「ち、違うってば…外で話すからちょっと黙って」
でっかい声で騒ぐ蓮とハァハァと息を荒くしながら目を輝かせる品川。みんなちらちらこっちを見てくるからやめてほしい。
外のベンチに俺たちは移動をした。一応辺りを見回してみたがここら辺でランチをしている人は見当たらない。
「…………で?相談って何だよ?」
「実はね………お、俺の2人の友達の話なんだけど1人に言われたんだ。もう1人の友達と仲良くしているところを見るとイライラ?もやもや?するんだけどどうして?って。
正直俺にも分からなくて…で、率直に言うと…き、キスされたんだよね、んで、気持ち分かってくれた?って。それって…どういう事なのかな」
一気に喋り終わると2人が唖然としたような顔をして俺を凝視している。
「え、何、そんなに俺の顔見ないでよっ」
「ねぇ、本田…あんた、本当に分からないの?」
「お前、それっt「ちょっと、蓮は黙ってて」
「アッハイ」
素直に首を縦に振ると深くため息をつかれた。
「もー、あんたの鈍感さには度肝を抜かれるわ
今からきっちり教えてあげるから耳闊歩強いて聞いてよ!」