第4章 2人の気持ち
アメリカ視線
「そうだな、直人はすげぇ優しいよな
…アル、悪い事は言わねぇが、あんまり直人に深入りしすぎんじゃねーよ」
「………そんなこと分かってるぞ」
(深入りすんな、か…。わかってる、そんな事分かってるんだぞ。俺たちは国でなおとは違うって事も…でもだからこそ今この時間を大切にしたいんだ。)
「本当に分かってるか?お前…ここにずっといれねぇの分かってるよな、離れる時が来た時つれぇのお前なんだぞ」
「だからこそ俺は今この時の時間を大切にしたい。」
布団を敷き終えたアーサーは自分の布団に腰を掛けた。
そして俺と目線を合わせてきたと思えば深いため息をついて顔を手で覆ってしまった。
「そうだよな、いつまでいられるか分かんねぇなら…この時を無駄にしない方が良いよな」
少し怒っていた声とは違っている。
表情は隠されていて俺からは見えないがきっと悲しそうな顔をしているんだろうな、と思う。
(……………あ、俺閃いたぞ)
「ねぇ、アーサー、俺、遊園地に行きたいぞ」
「……は?いきなりなんだよ」
いきなり何を言い出すんだと言う顔をしながらアーサーは顔をあげた。
「それでね!いっぱい3人で写った写真を撮るんだ!
俺たちの携帯も電波はないけど写真を撮るだけなら電波は必要ないよね!もとの世界に戻ってもデータは消えないだろうし、良いアイデアじゃないかい!」
「写真、か。それ良いな」
写真さえあれば、なおと離れ離れになっても夢だったんじゃないかとか思ったり、長い時間を過ごしてもなおを鮮明に思い出すことができる。
(いつか分からないんだから今からでも思い出作りを始めなきゃ、後悔したくないんだぞ)
「本棚の上にある携帯とってくるんだぞ、アーサーのも取ってくるかい?」
「いや、俺も行く」
俺たちは立ち上がり携帯を取りにリビングに移動した。
着き、置いてあるはずの本棚に近寄った。すると綺麗に並べて置いてある携帯を発見した。
「あったぞ、えーと、今残りのバッテリーは………」
電源を入れてみると56%と表示されていた。
微妙だ。だけど今、俺が使っている携帯の機種はiPhoneでなおが使っているのもiPhoneだから充電させて貰えば良いだろう。
そんな事を考えていると廊下から足音が聞こえてきた。