第3章 この2人はスゴイ可愛い
「…っ!もう!今日だけだからね!今後一切こういう事しないよ!」
頬を手で押さえる。久しぶりに人と直接的に触れ合った俺にはそれだけでも戸惑ってしまう。
アルはそれを聞くと少し残念そうな顔をしてから、ははっ、と笑った。
「もー、そんな事言ってなおだって俺の触って、ちゃんとイかせてくれただろう?」
「それはっ…だってあんなの見たら可哀想だなって思うでしょ!お返ししてあげたいなとか俺だって思うよ、でも!本当に今日だけだよ!アーサーともね!ノーマルなんだから、俺」
ニヤニヤしながらこっち見ないでよ。
アルは俺の言った事をあまり真剣に捉えていないようで、近くにあったティッシュを手に取り自分のモノを拭きしまって、服を拭いている。
アルが俺の足に跨って座っているので身動きが取れず、拭いている様子をぼーっと眺めていた。
「ねぇねぇ、さっき、俺が酔った勢いで言った事の意味分かっちゃったぞ。」
「え、さっき?なんだっ……んん⁉︎」
さっき言った事って何だったかと考える暇もなく首に手を回されぐっと引っ張られた。
(……え⁉︎な、ななななっ…今俺………アルと、き、キスしてる…⁉︎)
呆然と目を見開いたまんま動けずにいると、すっ…とアルの唇が離れた。
「意味、分かってくれたかい?……んじゃ、もうお風呂入っちゃうね!アーサーに言っといてくれ!」
「………………う、うん」
返事を聞くとアルは寝室から出て行ってしまった。
(うっ、うわぁああああっ‼︎アルとキスしちゃったよ‼︎
てゆうか何で⁉︎
……さっき酔ってた勢いで言った事って言ってたよね、なんだっけ…思い出せ…。あ…確か俺がアーサーと話してるとイライラ、モヤモヤするんだけど何で?って質問だったと思う、確か。
その答えがキスって…………何⁉︎)
「…………明日、同僚に相談してみよう…」
少し時間が経ってから、アーサーが居るリビングに戻った。リビングに入ると1人でテレビを見ながらお酒を飲んでおり、視線が合うとニヤニヤしながらこっちを見ている。
「よぉ、おかえり。どうだった?」
「秘密だよ、秘密!」
「なんだよ、つまんねぇな。まぁ、下手だったろ、あいつ。そういう事した事ねーから」
「でも、それも結構よかったけどね…
でさ、アーサー、アルがさっき言ってた意味って分かる?」