第3章 この2人はスゴイ可愛い
「たっだいまなんだぞー!」
鍵を開け、電気をつけた玄関にアルは元気良く入っていく。
「買ったものはリビングに置いてね」
俺はリビングに電気をつけながら買ったものをテーブルに置く。アルもアーサーも袋を置いたのを見ると結構買ったなーと思う。
俺はキッチンに行き、お酒を入れるコップに氷を入れ持っていき、それを2人に渡し、座る。
「アーサー、これ、買った紅茶なんだけど……どう?」
ガサガサと袋の中を漁り数種類購入した紅茶をアーサーの前に並べていく。
日本語で書かれている文字をじーーっと見ながら
「……フレーバーがついている紅茶なんて、邪道だ。
…けど、飲む。」
と、言いながらレモンティーを手に取る。
飲みやすいようにと、俺はパックではなくペットボトルの紅茶を買っていた。
ペットボトルの蓋を上げ一口飲む。それを俺は眺めていた。
「俺がいつも飲んでるやつとは香りも味も段違いだが、まぁ、悪くは、ねぇ。」
「ふふ、良かった
紅茶、残りは冷蔵庫に入れておくから飲んでね!」
「な、なぁ……直人……」
もじもじと何か言いたそうにアーサーは直人を見る。
「さっきは、コンビニで叫んで、挙げ句の果てに逃げちまってその、ご、めん……
あと、俺なんかの為に、紅茶買ってきてくれて、その……あり、がとう」
顔を真っ赤にしながらしどろもどろ話すアーサー。
「大丈夫だよ、アーサーが走ってコンビニ出てっちゃったのは少しびっくりしたけど、それよりもアーサーがどっか行っちゃったのかと思って心配したんだからね!これは罰!」
「いってぇ‼︎‼︎」
アーサーの額に結構強めのデコピンをする。すると額を手で押さえながらこっち涙目で睨んでくる。
「お前!今結構マジでしたろ!」
「少しだけ、手加減したよ、0.1割ぐらい」
あははと冗談を言っていると、左から物凄い視線を感じた。ゆっくりとその向けてる視線に顔をむけてみると。
無言で俺を見ながら買ったハンバーグ弁当を食べるアルの姿が。
(あれ、なんかこれデジャヴ)
「…………話は終わったかい?また、2人の世界に入ってさ、寂しいんだぞ」
あぁああっ、またやってしまったー!
アーサーとの話に夢中になり過ぎてアルを構うのを忘れてた!
「ご、ごめん、アル…おまたせ
えと、気を取り直して酒パーティしようか!」