第3章 この2人はスゴイ可愛い
その時一緒に顔も少し上げていた為、どんな表情をしているのかが見えた。
どんな表情をすれば良いのか分からないって顔だ。
(アーサーを明るい気持ちにさせる為には……)
もう俺は昨日の出来事のなんてどうでもよかった。いやどうでもよくはないんだけど。
…正直な事いうと普通にアーサー上手くて気持ちよかったし、俺はしてもらった方じゃないか。逆にポジティブに考えると、性処理をしてもらったんだから有り難いと思わないと。
うん、まぁ、あの時は嫌がったけど本当はそこまで嫌じゃなかったんだよね。はは。
この大半は俺のせいで縮こまっているアーサーを明るい気持ちにさせるのは…これが1番だと思う。
「アーサー、ただいまっ!」
「うぉっ⁉︎な、何すんだ、やめろ!」
「んじゃー、お帰りっていってよ。アーサー」
さっきアーサーにかけた言葉よりずっとテンションを上げた声でもう1度挨拶をしながらアーサーの髪を両手でわしゃわしゃと犬みたいにかき回した。
突然の事にびっくりしたアーサーは抵抗するが、俺はやめない。やめて欲しくば挨拶をするのだ。
「わっ、わかった‼︎だからやめろ‼︎」
「はいっ、言って?」
「う…、お、おかえ…り直人…」
「うん、ただいま!」
アーサーの表情はさっきまでの暗い表情ではなく照れている顔になっていた。俺は嬉しくなり笑顔でまたただいまと言った。
「あっ、アル、おまたせ」
「やっと終わったかい、仲間外れにするなんてつまらないんだぞー!」
なおが俺に話しかけてきた。話は終わったのだろうか。
引きつった顔を俺は急いで作り笑顔に変えた。
(なんだい……2人あんな近くで仲良くしちゃってさ………さっきの2人を見ていた時なんだか凄いモヤモヤしたんだぞ。モヤモヤっていうか、イライラ?
よく分からないんだぞ…なんだい、この気持ち)
「ごめんねー、アーサーも機嫌直してくれたからさ」
(アル、今顔笑って無かった?)
俺には一瞬だけど引きつった顔で俺たちを見るアルがいたような気がする。でもまぁ、すぐ笑顔で抱きつきてきたし別に気にする事でも無いかな……?
「ねぇ、2人とも突然だけどお酒は飲む?」
「は?/え?」