第3章 この2人はスゴイ可愛い
「あのね、すーっごい癒されるんだけどさ
この最後の俺?って言ってたでしょ?それちゃんと意味分かっていってる?俺を食べて♡って意味なんだけど」
別にアルと俺は恋人同士ではないから最後に俺を食べる?と聞いてくるのはおかしいのだ。
多分アルの事だから俺たち祖国の言った”癒し効果”だけを思って忠実に再現したのだろう。多分。
「………………っっ!」
(…ん?アルが固まってる)
黙って俯いてしまったアルを見てみると耳が凄い赤くなっている。やはり意味を余りよく分かってなかったみたいだ。
数秒間沈黙…突然何を思ったのかアルが勢いよく顔を上げた。その顔は耳同様真っ赤で少し涙目になっていた。
「ちっ…違うんだぞ…そーいう意味、だとは知らなくて
に、日本には”最後の俺?の部分はアメリカさん自身が相手にマッサージとかそういうのですよ(面白そうだから黙っておきましょうかね)”って聞いてたんだ!」
「あ、そうだったんだ」
(ん?なんか()があった気がした。気のせいかな?)
…そういえばアーサーはお迎え来てくれないんだ…って当たり前か。
今日出勤するのも2人に何も言わず逃げるように家を出ちゃったし。アーサーも気まずいんだろう。
でも、このままじゃいけない。だから今日はみんなでお酒を飲もうと思ったのだ。
「アーサーは?部屋の中?」
「あぁ、うん。
何だかよく分からないけど端っこで縮こまってたぞ」
「あぁ、そう………」
よし、まず、普通に自然にアーサーに挨拶をしよう。
そしてお酒を飲むか聞いて飲むなら3人でコンビニに行こう。
「ぁ、アーサー、ただいま」
ヤバい、第一発声少し裏返った。
それが聞こえてしまったのかはわからないがソファーの端っこで縮こまっていたアーサーの方がビクッと跳ねた。
返事は…………帰ってこない。
「アーサー!なんで黙ってるんだい!」
「あぁ、いいよ。大丈夫」
そうアルに言いながらアーサーの座ってるソファーに近づく。持っていたカバンはソファーの前に置いてあるテーブルに置いた。
そしてアーサーの腕で隠れている顔と同じ位置になるようにしゃがむ。
「アーサー」
「…………っ、な、んだよ…」
俺が呼ぶと途切れ途切れだが返事をしてくれた。