第3章 この2人はスゴイ可愛い
「んーっ、…ふぅ、やっと終わったー!」
ぐーっと背伸びをして一息つく。
現在7時半頃、急いで今日の仕事を終わらせた。あの2人のおかげで残業無しで家に帰れる。
今までだったら別に家に帰っても誰か待ってる、という事がなかった為定時でちゃんと仕事を終えなくちゃいけないと思える事がなかった。
でも今は違う。アーサーとアルが俺の家で俺の帰りを待っていてくれている。
……まぁ、アーサーはちょーーっとだけ会いにくいけど。
(あ、そうだ、久々にお酒でも飲もうかな?
アーサーは何のお酒が好きなんだろう?アルはまだ未成年だからダメだよね……いや、それは見た目の話であって実際はとっくに超えてるはずだしー…)
「んー、どうしよっかな…
あ、一旦家に帰って2人に聞いてみよう」
そう独り言を呟きながら、いつもは重い足取りも今日は何だか軽いような感じがした。
「ただいまー!帰ったよ」
ガチャっと鍵を開けドアを開けてみると、こっちに走りながら近づいてくる足音が聞こえる。
この足音はアルかな?と予想をしてみる。
「!、なおーっおかえりなさいなんだぞ!」
正解だ、俺の姿が見えるとパァッと万遍の笑みを浮かべて俺にハグしてくる。
俺はすごく幸せな気分になりお返しとしてハグに答えながらアルの頭を撫でる。
(家に誰かが待っていてくれるっていうのはこんなにも幸せな気分になるものなんだな)
「ただいま、アル!」
「あっ、なお!言うの忘れてたんだぞ!」
「え、何を?」
するとアルはハグするのをやめ、一定の距離をとったと思うと可愛く一回転して
「おかえりなお!疲れてるだろう?
ご飯にする?お風呂にする?それとも……お・れ?」
「………‼︎」
(どっからそんな日本の新婚みたいな言葉覚えてきたの‼︎)
可愛い、可愛いすぎる、疲れが一気にどっかにいった。
でも、これ恋人に言う言葉だよ。意味を分かって言ってるんだよね?うん。
あざとすぎる、アル……‼︎
「可愛いけど、そんな言葉どこで覚えたの?」
「Foooo‼︎日本に教えてもらったんだぞ!
”この言葉は魔法の言葉でこの言葉を聞いたら誰でも疲れが吹っ飛びますよ☆”って興奮気味に教えてくれたんだ!」
…流石俺たちの祖国。GJ