第1章 消えるのが突然なら出会うのも突然
「ねえ、聖星ちゃん!」
「ひゃ、はい!」
叔母さんが声をかけてきた。ハイテンションだなぁ、お義母さん亡くなったってのに。
「あのさ、うちに来たら岡山だし転校しなくちゃいけないでしょ? だからね、嵐っていうアイドルのシェアハウスに住んでくれない? 家事をしてくれたら生活費はチャラよ、チャラ!」
なんでそんなにテンションが高いんだ……。あ、そうか。叔母さんはジャニオタだった。だからか。
ということは……。
「その代わり、たまに遊びに行かせてね!」
や、やっぱり…………。さすがだな。しかし私は嵐というグループをあんまり知らない。テレビは見ないし。
「ところで聖星ちゃん、嵐は知ってる?」
「いえまったく」
「……聖星ちゃん、あなた本当に女子高校生?」
「叔母さんの心が女子高生ですね」
「やだもう聖星ちゃん、ほんとのこと言わないでよ~」
……誰だよお前。いくつだよ。叔母さん、38ですよね? 心が女子高生ってどうなってんだよ、20も若返ってんじゃねーか。