第1章 第一章…狐の婿決め
『――っはい!認めてもらえる用頑張ります。そして、楽しみにしています。』
皆が言い終わると、
私は人間の姿になった
そして橋の上で川を見た。
「綺麗だなぁ。あの時の水晶みたい…。あの子に貰ったからすごく嬉しかったのに、どうしてお爺ちゃんは人間を嫌うんだろう」
一度だけ遊んだときに貰ったきらきら光るあの水晶は、お爺ちゃんによって壊された。
お爺ちゃんはかなりの人間が嫌いで、人間の姿になるのもダメと言われた事もあった。
あの時の子と約束した
『神楽、この先の未来…僕達が大きくなったら夫婦になろうね』
『うん!』
この約束はもう、果たされないのかな――
10年も昔のことで顔ですら、覚えていなかった
でも、名前は教えてもらった
『そうじだよ』
その名の主がいれば私はその人と夫婦になりたい。
約束を守りたい
「でも、もう意味無いんだよなぁ。あと一ヶ月で私は嫁に行っちゃうし、その前に婿になる方をきめないといけないんだよね…」
ハァ、とさらに溜息をついた