第1章 第一章…狐の婿決め
『神楽、お主ももう直ぐ数えて18だぞ?嫁入りに行かんのか?
近頃は、若いものがいなくなってきおる。子孫を残すためにも…―――』
「あ”ーもう!お爺ちゃんはうるさいのっ。嫁入り嫁入りって……。
お爺ちゃんは私に嫁に行ってもらいたいの?」
私は狐の子で……。
そして、この狐が住んでいる村では
――― ……最後の嫁入り狐になる。
私の村では、女狐が18になる年に嫁入りをすることになっている
「なんで……私だけなのよ」
私は村でも結構遅くに生まれ、同じ年に生まれた子は皆嫁入りに行った。
でも、本当にそろそろ考えないといけないな……相手を。
良い男狐がいればのはなしだけどね
家の外に出ると
『神楽さん!俺を婿にしてください。
絶対幸せにしますっ!』
こんな言葉が次々と、飛んでくる。
でも、私は昔に遊んだあの子しか好きになれない。
あの子は人間の子で私とは絶対に結ばれない…―――
「ごめんなさい。婿は私が決めますので…家の前に来てもお答えはできません。
来月の誕生日の一ヶ月前…12月10日に私の家で正式に婿になる方を言いますので、それまでお待ちいただけますか?」