第1章 第一章…狐の婿決め
あれから一週間が経ち、お爺ちゃんは婿探しに村じゅうの家を回っていた
その間に私は花嫁修業といった事をやっている
洗濯、ご飯の作り方、などととても多く体に叩きこまれた
そして、ついに12月9日―――
婿発表の日の一日前だ。
お爺ちゃんは探しに探していい奴を見つけてやったぞ!はっはっは。夕餉の時に、誰か言うからな。楽しみにしていろよー
なんていうから、嫁に行きたくないなんて今更言えない。
だから、嫁になっても私は私のままで生きる。
そして、“そうじ”に一度でいいから逢いたいな
久しぶりって声を掛けたい。約束はもう果たせないけど逢えるだけならそれでいいんだ。
夕餉―
『神楽、聞いて驚くなよっ。西の村の長の息子がお主のむこじゃ』
「に、西ぃ?!お爺ちゃん、何処まで行ったの?」
私はの一族は東の村に住んでいる
だから、東と西では、遠いし真反対ということもある
西の村は、京に近い村なんだよね
『まぁまぁ、そんな事どうでも良い。どうじゃ?うれいしじゃろ?』
「うん。お爺ちゃん有難う。それと、今まで育ててくれて本当に有り難う」
これが最後になるかもしれないからね…
『なんだか、照れくさいのぉ』
ありがとう