第1章 01.緑の失恋
黒子side
緑間くんは本当に悲しそうな寂しそうな顔をしていて、いつもの緑間くんではないようだった。
緑間くんと別れ少し歩くと僕はため息をついた。
そして、物陰に隠れる少女に声をかける。
「何をしてるんですか。小春さん。」
「……あはは、黒子くんこんにちは。」
彼女こそ、緑間くんの元カノである赤橋小春さんだ。
小柄で芯の通った目が特徴の可愛らしい女の子。
緑間くんのジンクス的存在でもある。
彼女はずっと物陰から心配そうに緑間くんを見つめていた。
緑間くんは気づいていないようだから、言わなかったけど、バレバレだった…
「で、緑間くんを振って、ここでどうして緑間くんのストーカーをしてるんですか?」
「えっストーカーなんかじゃないよ?!」
「どうみてもストーカーですよ…?」
「あはは…そうだよねぇ…」
「どうして、別れたんですか?嫌いになったんですか?」
そう言うと彼女は悲しそうに微笑んでから、俯いた。
「嫌いになんて…なれないよ。大好き。」
「では、なんで。」
「真太郎さ、私がいるからシュートが入るって言ってくれて、本当に嬉しかったの…
でも私がいなくなっても、真太郎にはバスケを続けて欲しいから…」
「随分荒治療ですね、、、」