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キセキに恋した。

第1章 01.緑の失恋


緑間side

高尾に余計なことを話した。
いくら、感傷に浸っているとはいえ、俺らしくない。

そう、俺には彼女がいた。
帝光中時代からの彼女である。

俺はいつも人事を尽くす。
練習は欠かさず、おは朝占いのラッキーアイテムも常に持ち運んでいる。

そして、あいつの応援があるから俺はいつもシュートを外さない。

けれどあいつはもう…


「情けないのだよ…」

「緑間くん」

「…?!…黒子か。なんなのだよ」

「小春さんと別れたんですか?」

「なっ…!」

「高尾君から聞きました」

「…はぁ。そうだ。別れた」

「なぜですか?」


じっと正面から不思議そうに見られ、思わず目をそらす。


「こっちが聞きたいのだよ。」

「そうですか…じゃあ僕にもチャンスが巡ってきたってことでいいんですかね。」


黒子の突拍子もない発言に思わず声が詰まる。
黒子にチャンス…?

そうか、もう小春は俺のものじゃない。いつどこの誰に奪われるかわからない。

結構クるのだよ…


「嘘です。緑間くん、元気だしてください。」

「あぁ」


黒子は本気で心配そうな目線を送ってくるが、俺はメガネを中指で押し上げて黒子の目線に気づかないふりをした。


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