第3章 03.きらいの黄
小春side
「よろしくッス!!」
私は帝光中の男バスでマネージャーをやっている。
そんなある日、モデルの黄瀬涼太が1軍に上がってきた。
来て早々、青峰に絡み、黒子を見下し……
好きになれない。
「青峰っち!1on1やるっすよ!」
「だぁー!!言ってんだろ。俺とやりたきゃ赤橋を負かしてからにしろって!」
「…だって、マネージャーじゃないっすか!」
確かに、私はマネージャーだ。
でも、1軍のメンバーとそれなりに渡り合える。
こうやって、相手をはじめから見下すヤツって、やっぱり嫌い。
「っるせぇ!そういうことはこいつとやってから言え!」
ぐいっと青峰に引っ張られ黄瀬の前に出される。
黄瀬はというと、むっと私を見ていた。
「ちょっと!こんな奴と嫌だよ!」
「はぁ?!それはこっちのセリフっす!」
「青峰。お前が小春と1on1をして見せればいい」
どこからとなく現れた赤司。
そして、青峰はその赤司の助言に目を光らせた、
「そうじゃん!おい、やるぞ!!!」
「えーー」
「お前とやんの久々じゃん!」
「一昨日もやりました〜」
と、文句をいいつつもコートに向かう。
青峰のプレースタイルは見ててわくわくしてくるし、1on1をしてるとそれが目の前で感じられて、すごく好きなんだよね。
「よし!やんぞ!!」
ダムダム…
キュッ…キュッ
シュッ…シュパッ…
「あ!なんでお前そんなん入るんだよ!」
「それはこっちのセリフ!!」
まるで点取り合戦のようになっていたが、最終的に勝ったのは青峰。
楽しかったけど、やっぱり悔しい。
「もう!悔しい!!」
「やっぱお前おもしれぇ!」
二人とも汗塗れになりつつも、満足そうな表情は隠せない。
「ほら、黄瀬みただろ。こいつすげーだろ!」
ぐしゃぐしゃと、雑に頭を撫でられた時の力が強く、首が折れそうだ。
「力加減考えてよ!」
「………」
チラッと黄瀬を見ると、目をキラキラと輝かせていた。
…うっわー。
その目を見たら、1on1により高まったテンションが一気に下がっていく。
黄瀬から離れるためマネージャー業に戻ろうとした…が、それは叶わなかった。