第2章 02.紫と甘い香り
氷室side
敦が心配で、また教室に向かうと鼻歌を歌う淳の姿があった。
うまくいったんだ、と安心すると敦がこちらに気づいて駆け寄ってきた。
「室ちんありがとね~、あ。これ小春ちんから~」
「ん?ありがとう」
さっき言っていたクッキーかな?とおもい受け取ると、
中身はなくラッピングだけであった。
首をかしげて敦を見ると、敦は笑っていた。
「小春ちんのお菓子は誰にもあげないよ~。だけど、せっかく小春ちんが作ったんだから、渡さないとって思ったから~」
正直イラっとした。
けど、敦の機嫌がいいから、その場は笑って受け取ることにした。
けど・・・・・・
敦を教室外で見つけるたびに、小春ちゃんを抱きしめる姿を見つける俺の身にもなって欲しいよ。
正直殺意が芽生えた時もあった。
けど、バスケの調子もいいとなると文句はいえない。
まぁ、せいぜい小春ちゃんが敦の束縛に耐えられることをいのるばかりだな。
紫と甘い香り end