第1章 中二病ですが、何か?
あたし、皐月カレンはおそらく中二病です。だから、しょっちゅうウケそうな中二病の台詞を考えてる、いわゆるバカです。
「カレン、今日こそ読んだんでしょうね」
うしろからいや~な声が聞こえてきた。ゆっくりと振り向くと、予想通りの人物が仁王立ちであたしを睨んでいた。
「うげっえ、うっ、夕菜サン……」
「その調子じゃ読んでないみたいね。ったく、さっさと読んでよ」
夕菜は呆れたようにため息をつくとそう言う。しかし、あたしにだって反論する余地はあるはずです。
「やだよ! BL本なんてあたしの趣味じゃない!」
そう叫ぶと今度は腐女子のターン。
「あんたにBLの価値が分かるか!」
あたしのターン。中二病な台詞を吐く。
「分からないに決まってんだろ! 闇の炎に抱かれて消えろ!」
「お前はバカか!」
「中二病だよこの腐女子!」
という言い合いが続くのは、あたしが中二病で夕菜が腐女子だから。はい、ごめんなさい中二病です。