第1章 君との出会い
「あ、う、あの……っ」
だめだ、視線が怖い。睨まれてる気がする。うおぉ、なんで私は人見知りなんだあぁああぁぁああぁ!
「わ、私、は」
教壇に立つと、私はチョークを手にとって弱々しい字で『浅野静香』と書いた。
「あ、浅野静香といいます。よ、よろしくお願いしますっ」
ぺこっと頭を下げると、小さく拍手が起こった。うんうん、大きな拍手なんてもらったことないからいいけど、やっぱりなんか寂しいよ。
「浅野さんはお父さんの仕事の都合で転校してきたので、もしかしたら短い間しか一緒にいれないかもしれません。後悔しないようにしてくださいね」
担任の先生は年配の女性だった。前は男の先生だったから、久しぶりかも。