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短編集【黒子のバスケ】

第19章 ずるい女でごめんなさい【青峰】



おまけ


唇を離した2人の頬はまだほんのりと赤い。

青峰の首に腕を回し、自分へと引き寄せた理央奈は、暫く彼の髪を撫でていたが、やがて思い出したようにその手を止めた。

「そういえば、もう1つ種明かしがあった」
「種明かし?」
「そう。ね、さっきあげたバングル着けて」

そうは言われても離れる気にならない青峰は腕を伸ばして先ほどの箱を掴む。
中からバングルを取り出し腕にはめると、これでいいかと彼女に見せた。

「これがどうかしたか?」

言うのに恥ずかしさがあるのか若干言い淀む彼女を急かすと、開き直ったのか身につけていたネックレスを持ち上げた。

「これがどうした?」
「よく見て、金色のとこ」

ネックレスには理央奈の言う通り金色の水晶のような飾りが下がっている。
顔を近づけてじっと観察してみると、ついさっき見たような模様が目に入った。

「…これ…」
「そ、大輝のバングルの飾りの模様と同じ。これ、セットだったんだ」
「何で…」
「…虫除け?というか、私と大輝の繋がりを形にしたいなーみたいな」

言いながら彼女はどんどん顔を赤くし、俯いていく。

さすがにこのネタばらしはまずかっただろうか。
束縛する女だと思われたらどうしよう。
思いを伝えて早々振られるかもしれない。

おそるおそる上目で彼を見る。

「んんっ?!」

途端に口を塞がれた。
初めてのキスとは段違いに熱く、深いそれは彼女を蹂躙する。

「っ、ふぁ…」

何が彼のスイッチを入れたか分からないがなんとか引き剥がすと、青峰は不満そうに唇を尖らせた。

「んで拒むんだよ」
「いやなんでそういう流れになるかな?!」
「お前がそんな可愛いこと言うからだろ、あーマジやりてぇ」
「ちょっと待って落ち着いて大輝」
「理央奈、俺誕生日だからさ。言うこと聞けよ」

耳元で囁けば彼女は力が抜けて体がベッドに沈む。
その隙を逃さずに上に跨ると、壊れたら危ないからとネックレスとバングルを外し、大事に箱の中にしまった。

「…もう、強引なんだから」
「誕生日だからな」
「それ卑怯だと思う」
「かはっ、何とでも言え」

口では文句を言いつつも彼女に拒む素振りはない。
それを了承と受け取り、青峰は理央奈を心ゆくまで堪能するのだった。

そうして、誕生日の甘い夜は更けていく。
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