第5章 ~夏の思い出~ 決断。。。
暫く悩んでいると後ろから
「奈帆。。。なんか大変なコトになったね。。。さっき雅也くんから聞いたよ。。。」
めぐが部活を切り上げてきて、奈帆の横に座る。
グランドから響く声。
「じゃあ、まず!家いこ~!明日は休みだから泊まっていって!」
めぐが奈帆の手を引いた。
めぐの部屋に入るなり
「とりあえずっ!私の話しちゃおっかな~?」
明るく話し出す。
敢えて聞かないのがめぐ。
(いつもこうだったなぁ。。。何も聞かない、私が言いたくなるまで。。。)
めぐのたわいもない話を聞きながら奈帆はめぐに心の中で感謝する。
「そろそろ電気消すね~!眠れる?」
ベッドに横になりながらそっと話すめぐ。
「うん。合宿。。。めぐも行くの?」
「私は秀明くんの専属だから。。。行くよ!」
「めぐが居るなら、行ってみようかな。。。」
奈帆が迷いながらも決断しようとしている。
「てかさ~、奈帆も恋しちゃえば?どっちかと。。。そしたら楽になるよ。。。ズルいかもしれないけど。。。」
冗談かと思い起き上がってめぐを見ると真剣な表情で奈帆を見ていた。
「どっちが好き?どっちと一緒にいたい?それを確かめる意味でも合宿いかない?」
めぐの言葉が胸に刺さる。
(私は一弥先輩が好き?雅也が好き?その答えを出す為の合宿。。。)
確かに近くに居れば答えが出るかもしれないと思った奈帆は
「行く。。。自分も決着させる。。。」
そう言って奈帆は横になるとめぐはそっと奈帆の手を掴んで
「大丈夫!協力するし、もし決まらなければ両方辞退すればいい!そのかわり。。。辛くなるまで悩まないで。。。」
そう言ってめぐは上を向いた。
「ありがとう。。。」
奈帆は静かに言う。
(めぐは強くなったなぁ。。。私も変わりたい。。。)
そう思いながら目を閉じた。。。