第5章 ~夏の思い出~ 決断。。。
野球部とサッカー部の専属マネージャーお試し期間が終わり1人登校する奈帆。
「奈帆ー!」
後ろからめぐが呼び止める。
奈帆が振り向くとめぐの隣には秀明がいた。
「私ね。。。秀明くんの専属やるんだ。。。」
ちょっと照れながら話す。
「そっか!で、付き合ってるの?」
ずっと気になっていた事を聞いた奈帆。
2人は顔を赤くして、
「う、うん。。。」
同時に答えて笑い合う2人。
「おめでとぅ!初彼!夢叶ったじゃん!」
奈帆がめぐに抱きつく。
今まで長い付き合いだったが、こんなふぅに表現した奈帆を見るのが初めてだっためぐ。
きょとんとしてると。。。
「ごめん。。。あまりに嬉しくって。。。」
逆に照れてしまった奈帆だった。
3人で登校中めぐが、
「奈帆は。。。決まった?」
ストレートに聞く。
「まだ。。。でも、両方やらないかも。。。決められないから。。。」
めぐには奈帆がどれだけ悩んだか手に取るように分かった。
「でも、奈帆の好きにしたらいい!」
そう言って笑顔のめぐ。
この無邪気な笑顔に救われる奈帆がいた。
放課後、奈帆は片付けに手間取って遅れて教室へ戻る。
ドアを開けようとした瞬間中から声が聞こえた。
「俺も諦めてませんから。」
雅也の声が響く。
雅也の視線の先には一弥先輩がいた。
先に出て行く雅也。
振り返った一弥が奈帆を見つける。
「ごめん。。。聞こえてたよな。。。」
そう言って目を伏せる一弥。
「いえ。。。」
聞こえたのは最後の雅也の声だけだったが何となく何を話していたか予想はついた。
「今日は部活付き合ってよ。。。」
一弥が奈帆の前に立つ。
「まだ。。。マネージャーやるって決めてないから。。。」
断ろうとした瞬間一弥が奈帆の手を引く。
「いーの!けど、来て欲しいから。。。」
強引な一弥に連れて野球部まで来てしまった。。。
前に書いたノートを手渡されベンチに座る。
真剣な一弥先輩を目で追う奈帆。
その姿を遠くで見つける雅也に全く奈帆は気が付かなかった。。。