第12章 砂の里—四代目風影—
ルウさんがさっきと同じ方法で、砂の忍をばったばったと気絶させていく。
わたしは何もせず、ただルウさんの横を同じ速度で駆けるだけだ。
わたしは今、マスクをつけている。
鼻と口と耳、ついでに目も覆ってしまう、ルウさん特製のマスクだ。
なんでも、わたしのためにつくってきてくれたらしい。
うん。感謝だね。
・・・そういえば前から思っていたんだが。
ルウさんって、けっこうわたしのこと好きだよね。
だって、わたしだったら、いくら自分の命を助けてくれる(はずの)人でも、二年も待ってまで一緒に旅に行こうと思わないし、わざわざこんなマスクまで用意しないと思う。
きっとこの考えは自惚れではないはず。
好意の意味はどうなのか知らないけど。
あと、もっと気になることがある。
口調、態度のことだ。
わたしは現在、見かけ7歳である。
ルウさんと出会った当時なんか、4歳だ。
それなのに、最初っからまるで、そう・・・同年代に話しかけているような。
そんな調子がする。
アドさんも、似たようなものだ。
彼と会ったときは、1歳だった。
普通の一歳児なら、絶対に言葉なんて理解できない。断言する。
それなのに普通に話しかけてきた。
・・・知っている、としか考えられない。
何をというのは、前世のことだ。
わたしが前世の記憶をもっていることを知っている。
そうすれば、年関係なく話しかけてきたことには納得がいく。
アドさんは未来が見えるらしいし、わたしを召喚したのはアドさんらしいし、あながちはずれてもないだろう。
この辺はあとで聞いてみよう。