第11章 旅に出よう
自己紹介を聞いたフガクさんと言えば。
「七星・・・・?」
何故か困惑した表情でルウさんを見つめていた。
「七星。君は、七星リュウを知っているか」
「七星リュウは俺の父さんですけど」
その言葉に、フガクさんはとても驚いた顔をしたが、すぐに穏やかな顔になった。
「リュウさんとは、ちょっとした知り合いでな」
と、懐かしむように目を細めた。
ルウさんはその話に興味があるらしく、話のつづきを聞きたそうにしているのが分かった。
が、その話が続けられることはなかった。
何故なら
「そうか、リュウさんの息子か。・・・いいだろう。旅を許可しよう」
わたしの旅の話に戻ったからだ。
しかも旅を許可するときた。
さっきまであんなに反対していたのにどういう変化だろう、と、疑うが、理由が分かるわけもなく。
とりあえず、ラッキーだと思って受けておくことにした。
ルウさんに助けられたような形になってしまって、非常に悔しいが。
実際全てルウさんのおかげなんだけれど。
あ、ルウさんのお父さんか。
ま、なにはともあれ、一件落着、である。