第11章 旅に出よう
彼が部屋に降り立った瞬間、事態は動いた。
フガクさんがクナイを投げ、わたしを抱え込み飛んだ。
クナイははじかれ、壁に刺さった。
ミコトさんが臨戦態勢を取りながら、フガクさんの近くに行き。
フガクさんはわたしを降ろし、わたしたちを背にかばうように立った。。
この年になってフガクさん初抱え・・・。
忍だけあって、なかなか安定感がある。ふむ。
「ミユキ、知り合いか?」
あ、そうだ。今名前呼んだんだっけ。
「はい、そうです」
「どんな関係だ?」
・・・・・やっぱり聞かれますよねぇ。
うん。もうここまで来たら、言っても問題ないよね。
「旅の同行者です」
「!」
「あら、この人なの?」
二人とも、ものすごく驚いた顔をしていた。
無理もない。
驚いている二人に、ルウさんが向き直った。
そして急に、自己紹介をはじめた。
「はじめまして、七星ルウです。今回はあなた方のお嬢さんと、旅をさせていただくことの許可をいただきに参りました」
ルウさんが敬語喋った・・・。
に、似合わない!
爆笑もんだよこれ!
そして名字!
初めて知ったよ!
失礼なことを考えていたら、ルウさんにギロリと睨まれ、どきりとする。
心の声が聞こえるはずなどないのだけれど、思っていることがバレたような気がした。