第11章 旅に出よう
「だめだ」
「へっ?」
わたしは面食らったように呆け顔をさらした。
これはわたしが「旅に出たい」ときらきらした目で、フガクさんに訴えた結果である。
「な、何故ですか!」
「お前はアカデミーを卒業したばかりの下忍。しかもまだ6歳だ。そんなやつが旅に出て無事で済むわけがないだろう。危険すぎる」
・・・・確かにそうだ。
メリットより、デメリットーーつまりは危険ーーの方が多い。
しかしそれは、フガクさんから見てのこと。
わたしにとって旅は人命救助(しかも大量の)+自分の人生を賭けたものなのだ。
メリットの方が大きい。
「大丈夫です!」
「大丈夫なわけがあるか。年齢、階級ともにまだ早い。あきらめろ」
「あきらめられません!」
「だめだ」
「時々帰ってきます!」
「すぐに忘れるだろう、そんなこと」
ぐぐ。
痛いところを突かれる。
「き、基本的に木の葉にいます。時々他里へも行きたいと・・・」
「行って、そのまま外の世界が面白くなり、帰ってこないのではないのか?」
ぐぐ。
否定できない。
なんて強敵なんだ、フガクさん!
そしてわたしはなんて信用がないんだろう!
別に約束とか破ったりしたことないよね?
え?
わたしが気づいてないだけ?
そ、そんな・・・えー。
はぁ。
やっぱりフガクさんはわたしのこと認めてないのかぁ。
ちょっとがっくし。