第10章 旅の前に
こうして始まったアカデミー生活。
さんざんだった。
授業は簡単。
実技も簡単。
忍の技術は一通り学び、習得しているのだから、当たり前と言えば当たり前だが、簡単すぎてつまらない。
アカデミーに通っている意味があるのか、とさえ思った。
が、しかし。
そんな生活の中でも、うまくいかないことがあった。
人間関係だ。
これが世界を生きていく中で、一番重要ではないかと思うのだが、いかんせん、うまくいかない。
わたしは自分から声をかけている。
しかしみな、わたしが話しかけると逃げるのだ。
「わあああ」と叫んで、顔を青くして、逃げていくのだ。
ーーーーーー話しかけられるわけがない。
か、悲しい。
せめて一人くらい友達がほしかった・・・。
と、思うのも仕方がないだろう。
まあしかし、怯えられるのも、アカデミー内だけでの話。
外、つまり原作に出てくる人物との交流はうまくいっていた。
カカシさんとは何度も会ったし、カカシさんを通じて、その世代の人ともそこそこ仲良くなった。
何故か彼らは、最初から好意的だった。
さらに、シカマルやチョウジの世代ともそこそこ交流した。
なぜかみんなわたしのことミユキって呼び捨てにするんだよね。
なめられてるのかなぁ、と悩んでいたりする。
しかしその生意気さを差し引いても、小さい子ってかわいいものだよ。
とくに年をくった大人にとっては。おほほ。