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心【NARUTO】

第9章 閑話2



とある森にて。




小気味良い音を立てて、サスケの投げた手裏剣が的に突き刺さった。

「うまくなったな、サスケ」

「うん、サスケ上手」

兄であるイタチ兄さん、姉であるわたしに褒められて嬉しいのかサスケは照れたように顔を朱くして微笑んだ。

「ミユキもやってよ!」

「えー。イタチ兄さんの方が上手だから、イタチ兄さんにやってもらった方がいいよ」

「兄さんはさいご!」

「やだよー」

わたしが再三にわたって断ると、サスケはぶうっと頬を膨らましてぶうたれた。

それをつついてみたくなるのはわたしだけだろうか?

「イタチ兄さんもみたいよね!」

なっ!
イタチ兄さんに同意を求めるだと・・?

「ああ、そうだな。ミユキやってみせてくれ」

イタチ兄さんまで・・・。

まったく、サスケはずるがしこくなったものだ。
誰にに似たんだか。

イタチ兄さんの願いを断ることなどできないわたしは、やむなく手裏剣を手に取った。

どこを狙おうかなー、と考えて、ふとひときわ大きな木が目に入った。

その木まで一直線に伸びる空間。
手裏剣を投げて当てるには十分な隙間と言える。

少し遠目だが、まあできないことはない。

どうせやるなら派手にやらないと、と思い、両手に手裏剣をもって構えた。



勢いよく放たれた手裏剣は、空気を切り裂くように進みながら一直線に木をめざす。

少し時間が空き、小さくこぎ見よい音がわたしたちの耳に届き、無事手裏剣が刺さったことが分かった。

ふぅ。こんなもんかな。

「・・・・凄い」

「ん?」

「ミユキすごい!」

刺さったことに満足していると、サスケの称賛が聞こえた。
振り返ると、サスケはなにやら上気した顔で手を握りしめ、「すごい」と叫んでいた。

意味が分からず、困惑したようにイタチ兄さんを見ると、イタチ兄さんはイタチ兄さんで、感心したように頷いていた。

そんなにすごいことをやっただろうか?
原作でもサスケがやっていたはずだ。・・・距離は少々遠いが。

「さすがミユキだな。この距離でここまで正確に当てるとは」

「え?そんなにすごいかな?」

「ああ。中忍でもなかなかこれはできない。それを4歳のお前がやるとなると・・・」

ああやばいね。
これは、ちょっとやらかした気配がする。




ま、いっか。

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