第9章 閑話2
イタチ兄さんが任務から帰ってきた。
もちろん、初任務の終了というわけではない。
初任務からはもうずいぶんの時を経た。
「兄さんお帰り!」
任務帰りのイタチ兄さんを迎えるのは、2歳になったサスケ。
原作と変わらず、イタチ兄さんのことが大好きな様子。
「任務どうだった!?」
「はは、まあ特に問題はなかったよ」
「じゃあ手裏剣の修行つけてよ!」
しかもサスケ、若干二歳であるにもかかわらず、こんなにも言葉を巧みに操るという天才児ぶり。
これは、イタチ兄さんに劣らぬ忍者になる予感がするぞよっ!←ブラコンなりかけ。否すでに手遅れ。
っと、それより。
イタチ兄さんとの修行。
ぜひわたしも混ぜてほしい。
そう思って、二人のいる玄関に行くと、玄関でくつを脱がぬままサスケにしがみつかれ、困ったような顔をしているイタチ兄さんがいた。
「こらサスケ。イタチは任務で疲れてるんだからやめなさい」
「えー」
ミコトさんの言葉に、サスケは頬を膨らまして不満げに俯いた。
それをみていたイタチ兄さんは苦笑して
「いいよ母さん。簡単な任務だったから疲れてないよ」
と、サスケに付き合う意志を示す。
兄の鏡である。
もちろんサスケは自分の要求が通ったことに関してご満悦の様子。
興奮したように頬を朱く染め、「準備してくるっ」と走って自分の部屋へ行ったしまった。
こういうところは子供だよね−。
と感心しつつ、わたしもサスケの後を追うように歩き出した。
「ミユキ、どこへ行くんだ?」
「へ?」
イタチ兄さんに名前を呼ばれたため、歩くのをやめ、振り返る。
「どこって、イタチ兄さんとサスケが修行するならわたしも準備しようかな〜って」
「そうか」
イタチ兄さんがわたしに優しい笑顔を向ける。
反対されなくて良かった。
ほっとしてわたしもイタチ兄さんに微笑み返し、再び歩き出した。
あ、そういえば。
わたしはふと思い出して、笑顔でイタチ兄さんを振り返った。
「おかえり、イタチ兄さん」
「・・・ふっ、ああ、ただいまミユキ」
今日も今日とて、当家は平和である。