第7章 あやしい人・パート2
「あー、・・・つづきいいか?」
「あ、すみません。どうぞ」
「ああ。それで、予言をしたじいちゃんがこの間亡くなった」
その言葉に、ふと疑問を覚える。
このあいだ?
三年近く前の出来事が・・・・このあいだ?
ないない。
どういうことだろう。
「アドさんはいつ亡くなったんですか?」
「じいちゃん?じいちゃんは・・・二週間前くらいか。そこはあんまり聞かないでくれ。じいちゃんが死んだのは結構俺的にダメージ食らったんでな」
と孫は思いっきし沈んだ顔でいう。
いやしかし。
聞かないと納得できないと言いますか。
ねぇ?
「昔アドさんと会ったとき、『明日死ぬ』みたいなことを言われたんですけど」
「ああ。じいちゃんは結構嘘つきだから。きっと嘘言ったんだろ。はぁ、懐かしいな。会いてーな、じいちゃん・・・」
嘘かよ!
結構気まずい思いしたんですけど!
もう衝撃的すぎて、感傷に浸ってる孫のことなんか気にしてられないし!
てゆーか騙された!
アドさん忍界大戦止められたんじゃないの!?
オビトさんいなくなれば一発じゃん!
あ、この情報知らないのか・・・。
いやでも未来が見えるっていってたし。
あ、これも嘘なのかな?
「俺はじいちゃんが死ぬ間際に、緋月が俺を助けてくれることを知ったんだ。それで、じいちゃんが死んで、急いでここに来たって訳」
いや、急がなくていいでしょうが。
まだまだ先だよ。
わたしの考えていることが分かったのか、彼は少し寂しそうな顔でこういった。
「『生きろ』って言うのがじいちゃんの遺言なんだよな。だから何が何でも長生きしたいってゆーかさ」
・・・うん、アドさん孫を死なせたくないってだけでわたしに戦争を止めるように頼む人だもんね。そういう遺言でもおかしくないよね。うん。
あ、普通の親でも「生きろ」っていう遺言は珍しくないか。
なんたってここは忍の世界だからね。