第7章 あやしい人・パート2
「とりあえず、人物確認しとこう」
そういって彼は「人物確認」とやらをし出した。
「まず、じいちゃんから聞いてることな。俺はじいちゃんの予言を信じるなら、あーっと、15年後か?・・・の、戦争で死ぬ」
わたしは無言でうなずいた。
彼もうなずきかえす。
「そんで、その予言を覆すために、お前が戦争を止める。ここまでは聞いてるはずなんだが、あってるか?」
「あってます」
あっている。確かに約束したんだけど、・・・なんで彼がそれを知っているんだろう。
自分の死期とか知ったらまずくない?
いいのか?
「なにかいいたそうだな。なんだ?」
「え。んっと、なんで貴方は自分が戦争で死ぬことを知っているんですか?」
「そりゃあ、じいちゃんに聞いたからに決まってんだろ」
とこともなげに言い放つ彼。
その態度に思わずわたしはむむむ、とうなる。
自分が死ぬ、っていうのに、何故そんなに冷静なのか。
アドさんは結構前になくなったみたいだから、もしかしたら年月の中で折り合いがついてるだけかもしれないけど。
それにしても、彼はどこか。
なんていうか、自分に執着してない、みたいな感じがする。
なんだろう、この違和感。
うむむ。むむ。むむむむ。