第4章 九尾襲来の日。それから。
わたしがいろいろと考えていると、フガクさんが急に立ち上がって、こちらに近づいてきた。
わたしの目の前に立つと、じっとわたしを見下ろした。
け、けっこう、迫力あるなぁ・・。
こ、怖いんだけど!
やめて!穴が開く!見つめないで!
と心のなかで悲鳴を上げるが、表情は変えない。
じっとフガクさんを見つめ返した。
はやくもそらしそうだ。
しばらくそうしていると、いきなりフガクさんがふっと笑った。
え。笑った・・?
わたしが困惑したようにナキさんを見上げると、彼は優しい顔で微笑んでいた。
まるで、大丈夫、と言っているかのようだ。
いやなにがですか。
何があなたをその笑顔にさせるんですか。
「あの、どうか、しましたか?」
わたしが問えば、
「いや。なんでもない」
と、どこか満足げにいって、再び席に着いてしまった。
謎だ。