第1章 運命の神
そもそも、ここってどこ?
「うーん。言うなれば、天国?」
疑問系かいな。しかも天国って。
「つまりー、君は死んじゃったんだよー」
え?わたし死んだの?
「バイクの事故でねー。そうそう。まったくゆかりさんはさー」
あ、なんか説教始まりそうな気配。
「中学生のときから“れでぃーす”とか言うところに入ってさ−、バイク乗り回してさー挙げ句の果て事故起こして?死んで?命を大事にしなさすぎだよー。ぼくの仕事増えるから、こういうのやめてほしいんだけどー。しかもさー、喧嘩ばっかしてさー、アニメとか好きならずーっとそれ見て長生きしほしかったよー」
っ気をつけるんでその笑顔やめてくださいぃぃ!
笑顔で怒ってる神様ほんと怖いっ!
喧嘩してる高校生の比じゃない!
「反省してるのー?」
ええ!反省してますっ!
すみませんでしたっ!
「それならいいけどー」
一応は怒りを収めてくれたらしい彼に、ほっとして息を吐いた。
神様怒らせたらどんな目にあうかわからないもんね、うん。
*
「それでねー選んでほしいんだよね−。どの世界に行くか」
はい?どういうこと?
「え?だからー、次に生まれ変わる世界を選んでほしいってことー」
生まれ変わる?
あれ、これってもしかして・・世に言う、・・転生、だったり?
「せーいかーい。ピンポーン」
ぱちぱちと手をたたかれる。
なんか馬鹿にされた気分だ。