第3章 あやしい人
「そういうわけで、引き受けてもらえんかの?」
「・・・」
さすがに断りづらい。
「頼む。」
「・・・」
「ああ、そうじゃ、忘れておった」
必死な声から一転して、軽い調子になった。
「なんですか?」
いぶかしげに問えば、
「お主はこのまま行けば、20までで死ぬぞい」
ものすごく衝撃的なことを言われた。
まてい、まていまてい。
「え、それほんとですか?」
恐る恐る、確かめるように聞けば、さも当然であるかのようにうなずかれた。
「その、いつ死ぬとかって・・・」
「わからんな。お主は召喚された存在じゃからな。細部の未来を見ることはできんのじゃ」
20までに死ぬことは確実じゃがな、と絶望的なことをつぶやかれる。
本当に待ってほしい。
20までに死ぬって、ナルトたちの子供に会えないじゃん!
せ、せっかく転生したのにそりゃないよ!
しかも、自分の寿命知っちゃったよ!生きる希望を失ったよ!
「20までに死ぬ運命にあるお主に、朗報じゃ。わしの願いを聞いてくれるんじゃったら、寿命を延ばすことができる」
・・・・なんですと?
「20で、死なないんですか」
「お主が、わしの孫を救う努力をすると誓うのなら、じゃがな」
・・・
「やります!救います!」
気がつけばわたしは大声で叫んでいた。
だって、寿命が延びるんだよ!?
やるしかないでしょ!
やる気なわたしを横目に、アドさんは、満足げにうなずいている。
「寿命は延ばしておく。孫のこと、よろしく頼むぞい」
「はい。任せてください」
「うむ。期待しておる」
そういって、アドさんは、家の塀を跳び越え、帰っていった。
明日死ぬ人とは思えない動きだ。
もしかしたら、戦争とかで死ぬのかもしれない。
ここは、・・・・・あ。
ここがどこか、聞くの忘れた。
oh..