第3章 あやしい人
「それで、お主は引き受けてくれるのかの?」
笑いをおさめたアドさんが、改まって聞いてくる。
考えるまでもない。わたしの答えは、決まっている。
「嫌です」
「何故じゃ!?」
「当たり前じゃないですか。誰が好きこのんで見ず知らずの他人のために命をかけるっていうんです?わたしは、そんなにいい人じゃありませんよ」
せっかくナルトたちがいるってわかったんだもん、長生きしたいよ。
「うう、そ、そうかもしれぬが・‥頼む!お主だけが頼りなんじゃ!」
「無理です」
「頼む!」
「できません」
「お主なら出来るぞ!」
「できません。というか、アドさんが止めれば良いじゃないですか」
適当に代わりの案を出せば、アドさんは急に黙ってしまった。
「それは、できんのじゃ」
「なんでですか?」
「わしが・・・、もうすぐ死んでしまうからじゃ」
・・・思った以上に重いはなしになっちゃったよ。
「具体的にいつ頃ですか?」
「明日じゃ」
「明日!?」
いやいや、いくら何でも急すぎでしょうよ。
え、なにアドさん、死の間際にわたしのところにきたの!?
他にやるべきことあるでしょうに。
お孫さんと仲を深めるとかさ。