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心【NARUTO】

第21章 波の国、帰還



ひとまずわたしは気を落ち着けようとゆっくりと息をはき、その流れですばやくクナイをホルダーにしまった。

落ち着くと、自然と目の前にいるルウさんの姿が視界にはいってくる。


髪型はそのままに大人っぽくなった顔つき、高くなった背。



そして。



何故か“暁の隊服”をまとった体。



なんだかいやな予感が頭をかすめる。
それを必死で振り払いながら、おそるおそる問いかけた。


「えっとルウさん」

「なんだ?」

「その服どうしたの?」

「ん?もらった」


にかっという効果音でも付きそうなほどさわやかに笑った彼。
さわやかに言っているが意味はさっぱり分からない。

「…どういうこと?」

「そのまんま。リーダーから支給されたんだよ。メンバー全員にな」

これは。
その、つまり…

「ルウさん、暁に、……はい、ったの?」

「おう」


瞬時の、肯定。

いや、肯定?

肯定?




もう一度言うけど、肯定?



「え、いや、え?暁に入った?」

「おう。いつか会ったイタチもいたぞ。お前の兄貴だろ」


えほほほ。
そうですわよ。

イタチ兄さんはわたしの兄貴でありんす。




ってちがう!


もう確定じゃないか!兄さんがいて、この隊服。





ぜえええええったい!








あの暁だよっ。







うそでっしょおおおおおおおお!








「大丈夫か、ミユキ」

「大丈夫なわけないでしょ!!」

きっと睨み付けると、目に見えてたじろぐルウさん。


しかしわたしにそんなことをきにしている余裕は今なかった。


だって、暁だ。
これから尾獣を集めて、戦争のきっかけを作る組織だ。

そんなところにルウさんがいる。

これでは彼の助けを借りて再不斬達をこちらに引き入れるどころか、逆に喰われる可能性だってある。









いや。

まてよ。



ルウさんは「頼れるのがわたしだけ」などと言っていたではないか。


修行した今ではどうか分からないが、ひとまずわたしに好意を持っていることは間違いがない。







てことは。






ルウさんはわたし側で動いてくれる可能性が、高い。もしくは、ある。





そうなると彼を暁に入れたままのほうが、都合がいい…?

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