第3章 あやしい人
「とにかく、わしは、未来が視えるんじゃ」
すごいね。
その能力ほしいね。
「それで、わしは視てしまった。わしの孫が・・・その大戦で死ぬのを」
戦争なんだから、死んじゃうのは仕方がないと思うけど。
いや、身内が死ぬのはつらいけどさ。
「わしは孫に長生きしてほしいんじゃ」
ふむふむ。それで?
「というわけで、忍界大戦を止めてほしいんじゃ」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
ん?
「理由、それだけですか?」
「そうじゃが、何かおかしいかの?」
首をかしげるアドさんは、本気でそう思っているらしい。
わたしから言わせれば、その理由は単純すぎるし、軽すぎる。
その、お孫さんは、死ぬベくして死ぬんだろう。
それを止めるってことは、運命に逆らうってことだろう?
そんな重大なことをするのに、その理由は軽すぎやしないか。
そう思うの、わたしだけかなぁ。
「というかそもそも忍界大戦ってなんですか?」
わたしが最初に思ったことを聞けば、
「忍界大戦とは、今現在進行中の大戦のことではなく、これから約20年後に起こる、忍 対 不死身軍団のことじゃ。」
と、あっさり言われた。
え・・・?
20年後・・忍、対、不死身、軍団、って。
第四次忍界大戦のこと!?
てことは、・・・ナルトたちいるじゃん!!
「やったーーーっ!」
思わず立ち上がって、大声で喜んでしまった。
よしっ、よしっ、と両手ガッツポースを繰り返していると、前から、笑い声が聞こえた。
我に返り、慌てて謝る。
よいよい、と言いながらも、アドさんは笑い続ける。
「いいかげん、笑うのやめてください」
「すまんすまん」
謝りながら笑うアドさん。
やはり彼は、わたしを下に見ているような気がする。
いやあれか。
おじいちゃん的心境、みたいな。
わたしのことを孫のようにほほえましく思っている・・・
なーんことはないなぁ。うん。