第20章 サバイバル演習
「「おっそーい!」」
きれいにハモった二人の声に、わたしは驚き目を覚ます。
「黒猫に目の前を横切られちゃってなー」
起き上がって七班のメンバーがいるであろう方向に目を向けると、あったのは髪に手を触れながら謝るカカシさんと、目をつり上げたナルトとサクラ。
きっとカカシさんが大幅に遅れて来たことを怒っているんだろう。
そういえば、もう太陽が真上近くまで昇ってきている。
てことはずいぶん長く寝てたんだなぁ、わたし。
それよりわたし、いつになったら気づいてもらえるんだろう。
カカシさんなら気づいてくれると思ってたんだけど。
「おい、カカシ。ミユキは」
サスケ、カカシが遅れたことはどうでもいいのかい…
開口一番わたしのことって・・・うれしいけどね、照れるよ
「ミユキ?きてないの?」
「ああ」
いやきてますけど?
「知らないな、一緒には来ていない」
「ちっ、使えねぇ」
おーいサスケ君やー。
舌打ちだめだぞよ。
サスケがいらいらとした様子でカカシさんに八つ当たりをし始めたので、こりゃまずい、とわたしはわざと歩く音をたてて、気配を表す。
するとすぐにその音に気づいたサスケが、わたしの方向を振り返った。
「ミユキ!」
わたしの名前を呼ぶ声に、うれしさが乗り移る。
それを苦笑しながら受け止め、サスケの前髪を撫でた。
「遅れてごめん」
「…ん」
サスケは小さな声をもらすと、気持ちよさそうに目を細めた。
あー、なんか猫っぽい。
イタチ兄さんにもみせたいな、懐いた猫(サスケ)