第3章 あやしい人
「呼び出す難易度としては、召喚の方が上じゃ。ほとんど、出来る者はおらん」
アドさんは、少し誇らしげに言った。
というか、この話本当なら、アドさん、ちょーすごい人じゃん。
「召喚についてはいいかの?」
「あ、はい。理解しました」
「でじゃ。召喚したはいいのものの、その・・ちょっと失敗してしまっての。魂しか呼び出せなかったんじゃ。」
失敗したんかい。
てっきり召喚できるのかの思って、ちょっと尊敬したのに。
「さらにのぅ。呼び出した緋月の魂が、どこにいったのかわからんくなって、今まで接触することができんかったんじゃ。」
呆れてものもいえない。
すまんの、と笑っていわれても謝られている気は全然しない。
バカにしているとしか思えない。
「おお、それでじゃな。お主を呼び出したのは、頼み事があったからなんじゃ。」
「頼み事?」
「さよう。その頼み事というのが、忍界大戦を止めてほしいということじゃ」
はい?
忍界大戦を・・・止める?
忍界大戦っていえば、物語最後の、かな?
いや、時代がわからないから、そうだとは言えない。
「クク。混乱しておるようじゃの。さらに混乱させるようで悪いが、実は、わしには未来が視える」
・・・待って。
未来が視える?
「・・アドさん、転生者なんですか?」
未来が視えるといわれたら、わたしと同じ境遇の人、つまり転生者なのか、と思ったのだけれど。
違うのかな。NARUTOには未来が見える人なんて出てきてなかった気がするんだけどなぁ。
アドさんは、しばらく考え込んでいたので、ちょっと期待したが、「転生者、とはなんじゃ?」の言葉によって、それは打ち砕かれた。
少し期待した。
残念。