第19章 原作開始
「名はうちはサスケ」
あ、いつのまにかサクラの自己紹介終わってる。
まぁ、どうせサスケが好きってこととナルトが嫌いってことしか言ってないからいいか。
「嫌いなものはたくさんあるが、好きなものは別にない」
「え?」
「…なんだ、緋月」
「わたしのこと、好きじゃないの?」
好かれていると、思ってたんだけど。
どうやら自惚れだったみたいだ。
もしかしたらうぜぇ、とか思われてるのかなぁ。
そうだったらもうわたし…泣くしかないよ!
さあどうなんだ、と、サスケの真っ黒な。けれど原作よりは光のある綺麗な目をじっと見つめる。
とサスケは、ぷいっと横を向いてしまった。
その横顔は、ほんのり赤く、染まっている。
「…っ、緋月のことは、大切、だ」
態度だけでも十分に伝わってくるサスケの気持ちが言葉にされ、わたしの中にしみこんでゆく。
「うん。わたしも、サスケのこと大切で、大好きだよ」
嬉しくて、嬉しくて。
わたしはにやにやしながら、そっとそばにあるサスケの手を握る。
それに一瞬ぴくりと反応したサスケは、ゆっくり強く、わたしの手を握り返した。
「はーい、そこー。家族愛を確かめるのはあとでやってねー。サスケ、つづき」
「……ちっ、良いとこなのに。カカシさん空気読めないんですか」
「ええ?俺悪くないでしょ」
「「悪い」」
「・・・・」
悪い、と言い切ったものの、なんとなくカカシさんがかわいそうになってきたので、視線でサスケに、自己紹介のつづきを促した。
まぁ止めたのわたしですけど。なにか?はっはっは。
「…夢なんて言葉で終わらすつもりはないが、野望はある。一族の復興と、ある男を必ず、……————殺すことだ」
サスケ…。
やっぱり、それは変わらないんだね。
てことは、わたしはサスケに殺されるのかなぁ。
男って言ってるけど、あの現場にわたしもいたって分かったら確実に殺しに来るよねぇ。
・・・よし、言わないでおこう。
自分から、積極的に言わないだけなら、嘘をついたことにはならないよね。うん。