第19章 原作開始
場所は移り、アカデミー屋上。
カカシ先生は柵に寄りかかり、生徒三人は地べたに座り込んで向かい合っていた。
わたしも一応教師という立場なのでカカシ先生に方に控えようと思った。
のだが、
サスケに腕を引っ張られて隣に座らされてしまった。
カカシさんがえ?とでも言いたげな目を向けてくるので、やはりカカシさんの方に移動しようとしたのだが、またしてもサスケに腕を引っ張られた。
もうなんなんだこの子。
というかサスケ、ちょっとおかしくないかな?
原作と違うのはまあしょうがないとして、なんか…悪い方に変わってない?
こう、なんていうかな。
わたしを縛り付けるような…依存?してる…みたいな。
うう、考えるだけ無駄かも。
わかんないや。というより絶対に考えたくない。
「そうだな、まずは自己紹介でもしてもらおうかな」
カカシさんがそう切り出す。
「自己紹介…って、どんなこといえばいいの?」
「そりゃあ、好きなもの嫌いなもの、将来の夢とか趣味とか。ま、そんなのだ」
「あのさーあのさー、それより先生、先に自分のこと紹介してくれよ。緋月せんせーは知ってるけど先生のことは何にも知らないからさぁ」
ナルトが無邪気にそういえば、カカシ先生は少し考えるような仕草をした後、けだるげに口を開いた。
「おれかぁ。……俺は、はたけカカシって名前だ。好き嫌いをお前等に教える気はない」
「「え?」」
「将来の夢って言われてもなぁ。…趣味は、いろいろだ」
「結局分かったのって名前だけじゃない?」
「うんうん」
ですよね!
カカシさん適当すぎる!
「じゃあ次はミユキね」
「え、わたしですか?」
「そうそう」
面倒くさいなぁと思いながらも一応こういう場面なので、仕方なく、仕方なく!わたしは自己紹介をはじめる。
「うちはミユキです。サスケの義姉です。好きなものはサスケと団子とうどん。嫌いなものは面倒くさいこと。将来の夢はサスケの子供を見ることです」
「ぶっふ」
誰だ。わたしの自己紹介を笑った奴は。
と不満げにその音源をみると、なんと…それはサスケだった。
サスケは目元を腕でおおい、曲げた膝に顔を伏せている。
真っ黒な髪の間から覗く耳がかすかに赤く染まっているのは気のせいだろうか。