第19章 原作開始
泣きそうにも見える顔のまま、サスケがわたしに一歩近づいてきた。
「どういう、ことだ…、ミユキ…」
「あー、実はわたしも第七班の仲間、なんだよねー」
あはは、とごまかすように笑いながら白状する。
サスケはまた、数歩わたしに近づいた。
「それは…事前に知っていたのか」
サスケはいつの間にか俯いていて、表情はみえない。
ただ、その声は硬く、冷たく、わたしの心をびびらせる。
「……はい。結構前から」
「今日、家出る前…チームメンバーいい人達だといいね、っていったよな」
近づく。
「アカデミーにいるからいつでもたまにきて、っていったよな」
近づく。
「なぁ」
近づく。
サスケはわたしの目の前で止まった。
いつの間にか同じになり、今ではすこし追い越された背。
丁度、目があう位置。
サスケは泣いてなどいなかった。
悲しそうな、それでいてどこか嬉しそうな、矛盾した感情を抱えているように見えた。
そんなサスケにわたしはなにも言えない。
「ミユキ、俺と同じ第七班なのか?」
「…うん」
こくっと頷いて、なんていわれるかなーとサスケの言葉を怖々と待った。
「・・・ふん」
え?
え?
それだけ?
いや別に悪いわけじゃないけど。
なんか、拍子抜けっていうかさ。けっこう複雑な表情してたから。
「騙したなこのくそ野郎」くらい言われるかな〜と思ってたんだよね。
あ、サスケはそんな言葉使いじゃないか。
いやそれは別によくってさ。
うん。
あれだ。
ほっとした。
怒られなくて良かった。
「はぁ、それじゃあ移動しますか」
どこか疲れたようなため息を吐きながらつぶやかれた言葉に、わたしは心の中で深く謝罪するのだった。
カカシさん。
いろいろすんません。