第19章 原作開始
そしてついに。
カカシさんがドアに手をかけた。
がらがらと開いたドア。
横からの支えがなくなり、重力という強大な力の前になすすべなく落ちていく黒板消し。
舞い上がる、白い粉。
「ぶっひゃひゃっひゃっひゃ!ぶは、はっはっは」
「すみません先生。わたしは止めたんですけどナルト君が・・・」
大声で笑うナルトと、表面上良い子ちゃんなサクラ。
そして、チョークの粉をかぶったカカシさん。
ぶっほっ、か、カカシさん頭・・・黒板け、し…っ!
やばい、超笑える。
というか髪が白いからチョークの粉が目立たない…っ。
「うーん、そうだなぁ。お前等の第一印象は…嫌いだ」
えーとカカシさん?
間抜けな姿を見た後にその台詞を聞くとなんだかとても上忍にはみえないんですが。
生徒の方も第一印象は良くないと思いますよ。
ナルトとサクラもそんなにガーン、みたいなショックをしなくても平気だよ。
これからカカシさんは三人のこと大好きになるからね。
それより。わたし。
もうでていいかな。
いいよね。
もうそろそろ出て行かないと完全にタイミングを逃しそうだしね。
ふぅ、っと心を落ち着かせるように息を吐き、わたしはドアの影から一歩出て教室に入った。
「こんにちはー。遅れました。ミユキでーす」
何気なさを装って、挨拶をする。
「「「・・・」」」
落ちる沈黙。
聞こえる遠くの笑い声。
わたしの背中を冷たい汗が流れ…るか流れないかという、そんなとき。
真っ先に反応してくれたのは、
——サスケだった。