第18章 閑話345
そんなことをしているうちに、もう組み手の準備が整っていた。
最初、円の中にいたのは。
サスケとナルト。
どうやら組み手の組み合わせは名簿順なのだろうか。
あ、でもキバがいるから違うか。
じゃあなんの因果だ。
こんな相性の悪い二人を対戦させるなんて。
まったく…面倒くさいったらありゃしない。
わたしの気持ちには気づきもせず、二人は円の端と端で向かい合う。
ナルトはサスケをすごく意識しており、最初っから睨み付けている一方、サスケはどこ吹く風のすまし顔。
これは後で教えこまないとな。
真剣にやれよ、って。
てゆーか外野がうるさい。
サスケサスケって超うるさい。
「いーよっしゃぁ!ぜってー負けねぇってばよ」
「頑張って…なるとく「さすけくーん」」
張り切って腕をぐるぐると回すナルト。
それを応援するヒナタ。
ヒナタ…健気だね。かわいい。あとで話しかけに行こう。
「これより、うずまきナルト対うちはサスケの…」
「きやがれウスラトンカチ!」
うっわ。
なんかめんどくさくなりそうな気配…。
「…ナルト。ちゃんと利き手で組み手前の対立の印をしろ。それが礼儀だ」
「そんなことはどうでもいいからよー、はやくこいつ倒させてくれってばよ!」
先生の注意など気にしないナルトが、小学生にいそうな悪がきに見えて、笑いそうになる。
サスケはその悪ガキのようなナルトをみて、馬鹿にするようにかすかに口の端を引き上げて笑った。
「くだらねぇ、のぞみどおり速攻で…」
「待て、お前等。…ったく、この忍組み手は昔から守られてきた伝統的な訓練方式だ。形式的すぎる作法もあるが、アカデミーでは基礎から教える。これも大切なことだ」
ナルトはイルカ先生に諭され、不承不承といった様子で「わかったってばよ」と返事をした。
うーん、イルカ先生も大変だね。
問題児ばっかりで。わたしだったらこんなクラス絶対いやだよ。
女子はうるさいし、問題を起こす男子はいるし。
あ、どこのクラスでもそうなのか。