第17章 ゆくえ
いやー、可愛いねぇわたしの弟は。
もっと頼っていいんだよ?
というか頼ってね。
なんだか嬉しくて、サスケが可愛くて、思わずにやにやしながらサスケのことをぎゅうっと抱きしめた。
「ぐ、…ミユキくるし…・・・」
「あ、ごめん」
ははは。力加減がちょっとおかしくなっちゃってねぇ。
ほら、小さい子を相手にするのは久しぶりだから。
そんなことを思いつつも、サスケを抱きしめる腕は緩めるだけでほどきはしない。
だって離したくない。
サスケだってわたしに寄りかかってるし、特にいやがる素振りもないから別に大丈夫なはずだよ、抱きしめても。
としばらくそんなことで二年という膨大な時間を埋めるように兄弟の交流を図った。
わたしとしてはとても良い時間だったのでいつまでもこのままでいたいなどと思ったが、そうも行かなかった。
この空間を壊したのは、サスケのある言葉だった。
「一緒に、復讐しよう、ミユキ」
兄弟仲良く抱きしめ合っていたら、サスケが急にそんなことをのたまったのだ。
いやサスケにしてみればそんなに急なことでもないのかもしれないが、わたしにとっては急すぎるくらい急だ。
ものすごく心臓に悪い。
なんでいきなりそんなこというかね…。
今までの和やかで心地いい空気はどこ行ったのさ。
内心ものすごく残念に思いながら、復讐ということを考えてみる。
復讐とは。
そりゃあもちろん、家族を、一族を殺したイタチ(サスケは知らないけどわたしも)に対する復讐だ。
……
そんなもの出来るわけがないね。