第17章 ゆくえ
「ごめん。それは出来ない」
「なんでだ!?兄さん…イタチがにくくないのか!?」
もちろん。
だってわたしも加害者だし。
・・・とかって言ったら絶対わたしも憎まれるよねぇ。
守るどころじゃなくなるってー、はっはっは。
わたしは少し困ったような表情で、首を傾けた。
「憎くないといったら、それは嘘になる」
「ならっ!」
「でもそれ以上に大好きだから」
「え・・・・」
「わたしはイタチ兄さんが大好きなんだよ。今まで一緒に過ごしてきたイタチ兄さんの方が存在が大きくて。憎みたくても、・・・憎めない」
「ミユキ…」
「だから、復讐は出来そうにない。ごめんね」
申し訳なさそうな顔をしてわたしはこれを言ったわけだが、内心はとんでもなく荒れていた。
ぐおおお!
ごめんね、ごめんねサスケ〜、嘘ついてごめんんん!
そしてあわよくば復讐をやめてくれ!
わたしサスケに殺されたくない!
心の中でだらだらと汗を流すわたしには気づきもせず、サスケはなんだか微妙な顔をしていた。
何を考えていたのかは分からないが、サスケはしばらくすると先ほどの“復讐しようよ”発言がなかったかのように再びわたしの肩口に顔を埋め、和やかな空気を醸し出しはじめた。
そのときわたしは思った。
こいつは原作以上の大物になるな、と。