第15章 別れと出会い
「俺は七星ルウ。で、こっちが—…」
「ミユキです」
ルウさんに便乗して、名前をいい、軽くお辞儀をする。
「で、おいらに何のようだ」
近づいてきたのがわたしたちだと分かったときに崩した警戒の表情をもう一度作り直すデイダラのミニチュア版少年。
だらんと座った状態で表情だけつくってもあんまり意味ないけどね!
いいよ、どうせ敵意はないから。
うんうん。
「怪我してるから、大丈夫かなって」
「これくらい、平気だ、うん」
「そう?でもさっき立ち上がったとき、結構つらそうだったけど」
「うっ」
デイダラであろうとおぼしき少年は、きまずそうに目を伏せた。
彼の傷はみたところねんざ。
おおかた、先ほど逃げるように走っていたときにでも挫いたのだろう。
「みたところ捻挫だね。・・・治療しようか?」
「できるのか!?」
「うん」
わたしは少年に近づき、怪我をした足に手をかざした。
チャクラを流すと、患部が緑色の光に包まれ、みるみるうちに怪我が治っていく。
これはここ最近の、というか砂の里での成果だ。
風影様に手配してもらって、医療忍術を少しやらせてもらった。
なかなかセンスがあったらしく、けっこうすぐできた、とかいったらサクラに殴られそう。
いやほんとのことだけどさ。
っと、
そんなわけで、捻挫程度ならどうにか直せる。
ま、普通は捻挫なんかに医療忍術は使わないけど。
今回は特別。出血大サービスだよ、ありがたく思ってね。
「はい、できた」
「・・・!ほんとだ、痛くねぇな、うん」
「それはよかった」
「礼をいうぜ。っと、——ミユキ」
怪我を治したことで完全に警戒を解いてくれたらしい。
少年は無邪気に笑った。
「・・・ミユキ、医療忍術使えたんだな」
今更過ぎるよルウさん・・・。
てか一緒にいたよね?
わたしの修行に付き合うって言って一緒にやってたよね?
途中で飽きてどっかにいってたけど!
・・・はぁ。ルウさんのぼけ加減に突っ込むのも疲れてきた。
今度から出来るだけスルーしよう。