第15章 別れと出会い
雨の中を抜け、だらだらと寄り道をしながらいろいろな街を通る。
甘味屋とか、銭湯とか、装飾を売ってる店とか。
改めてみると、いろいろある。
どこの里も変わらない。こういうものは。
ああそうだ。
服飾の店にも立ち寄った。
凄くかっこいい服があったので、思わず即買い。
後悔はない。
そして今。
「なー、飽きた」
「・・・」
「この森いつまで続くんだよ」
わたしたちは森の中を歩いている。
しばらく特に景色の変化もなく、なにが起きるわけでもないので飽きた。
ほんと、どこまで続くんだろう。
「なんかないのか、ミユキ」
「ないよ」
「はぁー、だよな。なんかねぇかなー」
ぐだぐだぐだぐだ。
飽きた飽きたと繰り返すルウさん。うるさい。いい加減黙れないのかな。
「ルウさん、いい加減に・・・」
黙って
そう言おうとした。
そのときだった。
視界の端を黒い影が通り過ぎた。
瞬時に振り返るが、もうすでにその影はみえない。
なんだろう、今のは。
速い影。
忍、だろうか。いやでも、こんなとこに?
あ、こんなところだから?
「どうした、ミユキ?おいてくぞ」
わたしはいつの間に立ち止まっていたらしい。
どうせ暇なのだから、と立ち止まった理由である「速い影」についてルウさんに話した。
「よし、追いかけよう」
ルウさんは“キリッ”という文字が付きそうなほど凜とした表情で即答した。
まあ、予想通り。
わたしも最初からそのつもりだった。
「追いかけるのはいいけど、もう見えないよ」
「そいつより速く走れば追いつくだろ」
「途中で進路を変えるかもしれない」
「・・・・どうにかなるだろ」
はぁ。
ルウさんは相変わらず、計画性ないなぁ。
わたしにいい案があるわけじゃないけどね!
人のこといえないけど何か?
ふぅ。
追いかけますかね。
追いつけるかは運次第。
スピードだったら、わたしとルウさんはきっと負けない。
進路を変えるか変えないか。
その二択のどちらになるかで、わたしたちの運命が決まる。
しばらくして追いつけなかったらあきらめよう。
そう考えて、わたしはルウさんとともに影を探しに駆けだした。