第15章 別れと出会い
「それじゃ、我愛羅。元気でね」
わたしは立ち上がって、笑顔で手を振った。
次会えるのはいつだろう、と考えて、中忍試験頃になると思い当たり、ちょっと落ち込んだ気分になった。
それを感じ取ったのか、我愛羅がぽつり、「笑って」と零す。
わたしが言葉をつむごうと口を開きかけたら、我愛羅が再び言葉を発した。
「また、会える?」
「もちろん」
「いつ?いつ会える?」
「うーん」
さっき考えていただけに答えはすぐ出る。
しかしそれは前世の記憶による答え。
言うと、いろいろとめんどうくさい。
となれば、言うべきは一つ。
「君が」
「・・?」
「君が望むならいつだって、わたしはあなたの元へ会いに行くよ」
・・・
ぐああああぁぁぁ!
恥ずかしい!
かなり恥ずかしい!
どこの男子の台詞だ!
てかなんでわたしこんな言葉がさらっとでてくるの!?
わたしの魂もとはチャラ男!?
ホストさんとかなにかだったんですか!?
・・・・はぁ。
息を吐いてそっと、我愛羅をうかがい見ると、我愛羅はぽかんとした表情で、わたしをみつめていた。
き、きまずいんですが。
な、何か言ってもらえませんか?
願いが通じたのか、我愛羅は突如、くすくすと声に出して笑い出した。
これに驚いたのはわたしだった。
さっきの我愛羅と似たような表情で、我愛羅の笑う姿を収める。
「うん。わかった。ありがとうミユキ」
笑いながら、さっきとは打って変わって物わかり良くそう言う我愛羅に、わたしはやっと気がついた。
いつ会えるんだと、そう聞いたのは彼なりの仕返しだったと。
いつ会えるかなど確定しない。
それを幼いながらに我愛羅はわかっていて、わざとわたしにそう質問したのだ。
末恐ろしい。
さすが15、6で風影になるだけのことはある。