第15章 別れと出会い
「おーい。ミユキー、はやくしろー」
「はいはい。・・・というわけだから、我愛羅、離して?」
「・・・」
まだ離れない。
どうしたもんかな。
わたしだって置いてくのは心苦しいよ。
我愛羅の後ろにいる二人の兄弟とか心配だし。
我愛羅が切れて殺しちゃったりしたら、大幅な戦力の低下になる。
我愛羅はわたしたちに愛情を注がれた分、他人に切れやすくなってるような気がするんだよねぇ。危険が増したね、我愛羅さんよ。
というか今思っただけど。
わたしって結構人のこと戦力としてしか見てない気がする。
ああっ。なんてひとでなしなんだ!わたし!
「おい、なにやってんだ。おせぇ」
いろいろ考えていたら、いつのまにかルウさんが近寄ってきていた。
やっほー。
・・・ばからし。
「なんか我愛羅が離れてくれなくて」
「見りゃ分かる」
「じゃあルウさん手伝ってよ」
「・・・なにすりゃいいんだよ」
お、協力的。助かるね。
でも
「わかんない」
どうすれば離れるかなんてわからないんだよ。
あいにくね
えへ、ととぼけたように笑ったわたしにルウさんはため息をはいた。
「またか」と言っているので、きっと、呆れているんだろう。
おほほ、面目ない。
まあさ。
ルウさんも来ちゃったことだし、さくっと我愛羅さんは片付けよう。