第14章 愛
その後、気絶した我愛羅をルウさんにもってもらい、ベットまで運んだ。
そしてさっき途中で放棄した、「殺されかけた発言」についての説明をルウさんに行う。
我愛羅の母親は、我愛羅を産んでまもなく息を引き取った。
そのせいで、四代目風影は我愛羅をひどく恨み、憎んできた。
だから、四代目は、我愛羅の母の弟である夜叉丸さんに、我愛羅の暗殺を命じたのである。
夜叉丸さんも、姉を殺され、内心我愛羅のことを憎んでいたそうで、その暗殺に協力。
それが実行されたのが、昨日だったというわけだ。
ま、我愛羅はそれを返り討ちにして、夜叉丸さんを殺してしまったんだけど。
うーん、今考えてもほんとにいやだね、こういうの。
我愛羅は5歳で人殺し。
親の愛情も知らぬまま育ち、人々に化け物だと言って蔑まれる。
あー、やだやだ。
「そんなことが・・・」
ルウさんが気まずそうな、同情したような顔で我愛羅を見る。
常人の反応と言える。
かわいそうな境遇の子供に対する反応。
きっと我愛羅はその視線を不快に感じるのだろう。
起きていなくて幸い、なのかもしれない。
「あっ」
「ん?」
「我愛羅が・・・」
「あ」
ルウさんの声につられ、我愛羅へと視線を向けると、我愛羅のまつげがピクリと動いた。
まぶたがゆっくりと持ち上げられ、我愛羅の蒼い瞳が現れる。
そこにあるのは「無」
なにも移さぬ瞳がすっと、わたしに向けられた。
「我愛羅おはよ。おちついた?」
「・・・ミユキ」
問いかけると反応はするものの、瞳にわたしは写らない。
こりゃ困った。
完璧わたしをみてない。
このまんまだと、原作のカンクロウ達みたいに、我愛羅の力に怯えて過ごすことになってしまう・・・気がする。
話は聞こえているはずだ。
目も見えている。
ならば、良い。
自分の精一杯を尽くすのみだ!
ふっふっふ。
わたしの力、とくと思い知るがいいさ!
・・・
はーい、すんませーん。
調子乗りましたー、真面目にしますよ。